「心も脳も整える! セロトニン呼吸法」有田秀穂・高橋玄朴共著(青春出版社)
「セロトニン」と言う言葉はよく目にしたり耳にしたりするので、知っている人は多いと思うnのだけど、私と同じように「日光を浴びると分泌されて、精神的に良いと言うアレでしょ?」と言うレベルで認識している人は多いのではないかしら。
セロトニンって何?
この本から簡単に抜粋すると、セロトニンは脳の神経伝達物質の一つ。喜びや快楽に関係するドーパミン、恐怖や怒りなどの感情に関係するノルアドレナリン。そして、これらのバランスを上手く調整してくれるのがセロトニン。
この物質が活発になることで心が満たされて平常心でいられたり、共感力や気持ちの切り替え力が高まって相手の身になって考えられえたり、パッと気持ちを切り替えられたりするといった人間が社会生活を営む上でも大切なもの。それがセロトニン。
私が実感するセロトニン効果
これらの効果については10数年前から何となく知っていて、その効果を得るには日光を浴びると良いと言うことを知ってからは目を瞑りながら日光を浴びたり、晴れている時にランニングしたりしていたことがある(ランニングは今はしていないのだけど)。
確かに浴びた後は幸せな気分になるし、ヤル気も湧いてくる。それ以来、気分を変えたい時は日光を浴びるようにしている。もちろん日焼けしない程度に、だけど。
太陽をみる時は目を瞑りながらするのだけど、そうすると瞼の裏側全体が明るい黄色に染まって、まるで縁側で昼寝をしている時のような、あるいは日溜まりの中にいるようなホンワカと幸せな気分になる。これが私にとってはリアルなセロトニン効果。
でも困るのは天気の悪い日が続いたり、朝から晩までスタジオに入って撮影したりする日は日光を浴びることはできない。つまりセロトニン効果を得ることはできない。
※10年近く前に購入して以来、読み返すたびに付箋紙が増えている(苦笑)
呼吸法でセロトニンを活発に
そんな時に見つけたのが、この本「心も脳も整える! セロトニン呼吸法」。この本には、いかに「呼吸」が大事であるか。それが、どれだけ脳に影響するのか。そして無意識ではなく意識的な呼吸によってセロトニン神経が活性化されることと、その呼吸法が紹介されている。
その呼吸法とはお釈迦様も実践していたと言われている、へその下にある丹田を意識して行う座禅の時の呼吸の仕方。
セロトニン呼吸法とヨガの呼吸法
大事なポイントは丹田を意識しながら息を吐くことから始めること。そして「できるだけ深く、長く」を意識しながら吐くこと。でも吸う時は意識しないで自然に任せること。そのためには息を吐ききったら、下腹の丹田のあたりの力を抜く。そうすると自然に空気が入ってくる。
私はヨガを少し自己流でやっているのだけど、考えてみると太陽礼拝のポーズをしているときは、自然にこの呼吸法になっている(ヨガにはいろいろな呼吸法があるのだけど)。
ヨガだって呼吸を意識しなければ、ただの運動になってしまうのだから、それだけ呼吸というのはセロトニン云々というだけでなく心身に深く影響すると言うこと。
そうしたことを考えると、この本が医学部教授の有田秀穂氏、禅とヨーガの第一人者である高橋玄朴氏の共著であることが納得できる。
ストレスとマスクで呼吸が浅くなりがちな今だからこそ
呼吸の仕方によって脳の神経伝達物質のセロトニンが活発になって、気持ちが落ち着いたり、ストレスが減ったり直感が冴えるのであれば実践しない方がもったいない。
それに長期のコロナ禍で意識していなくてもストレスは溜まっていると思うし、マスクをしているとどうしても呼吸は浅くなりがち。そんな今こそ、場所も時間も選ばないこの呼吸法は役に立つのでは。
※この本には他に多くの呼吸法も紹介されています。