‘使いきる’には、その人のスタイルが表れる     「使いきる。」有元葉子著

私は昔から料理家の有元葉子さんのファン。
そして彼女の料理本をたくさん持っていて、実際に料理レシピを参考に作っているのですが、この「使いきる。」(講談社)は料理本ではなく、有元さんの整理術をまとめた本。

「使いきる。」は奥深い

先ず惹かれたのは、このタイトル「使いきる。」!
何しろ、この言葉には昔から憧れを持っているんです。
例えば野菜や調理量、あるいは化粧品やボールペン、紙類、洋服・・・etc
とにかく何でも自分が普段、使っているものをキチンと使いきれた時の達成感と満足感ち言ったら(ちょっと大袈裟?)。
それに捨てるときも、後ろ髪を引かれることなく清々しい気持ちで捨てられるし。

でも「使いきる」ためには、その前に何かを選ぶ時に意図がハッキリとしていなければ、そうはいかないのが難しいところ。
「取り敢えず、これで良いかな」と選んだものは、だいたいが使いきる前に、いつの間にかどこかにいってしまう。
「ホントはあっちが欲しいけど・・・」とか「安いから」と選んだものは、大事にしないまま処分してしまうことになる。

使いきるために必要なこと

だから使いきるためには、自分は
何が欲しいのか
どのようなものが欲しいのか
何が必要なのか
どう使いたいのか
と言ったことを知ることから始まると言ってもいいかも。

例えば、私は「私が言っていることは、あくまでも参考としてくださいね。それを選ぶか選ばないかは、皆さん自身が決めてくださいね。選んだとしても、自分だったらどうアレンジしようかと工夫してくださいね。」などと講演や取材などで言ったり、コメントなどに書いたりしています。

一見、冷たいように感じるかもしれないけれど、人は皆それぞれ顔も好みも違うし、違う価値観で生きている。
だから何でもピタッと合うものって、そうはない。

それに私たちは日々、大なり小なり何かしらを選んでいるわけだけど、その時に自分なりの指針がないと、「あの人がこう言ったからコレ。あのテレビでこう言っていたからアレ」などと、他人に左右されて選んでいたら際限なくモノは増えるしキリがない。
それに、そう言ったものはだいたいが使いきれないままになる可能性が大。

使いきるには、その人のスタイルが表れる

私が「使いきる」と言う言葉に憧れるのは、そんな風に指針をキチンと持っている人に憧れるからと言うことであり、自分もそうでありたいと言う願望を持っているから。
指針という言葉が硬いようであれば、スタイルと言っても良いかしら。

話は長くなってしまったけれど、冒頭で述べた私が有本さんのファンである理由は彼女の作る料理や物の選び方に、彼女ならではのスタイルを感じるからと言うことです。

私が整理整頓が好きな理由

そして本でも述べているけれど、使いきるために必要な具体的なことは整理整頓すること。
整理整頓をしている時、私は凄く楽しいし充実感も覚えるタイプ。
でも、よく考えてみると整理する行為が好きと言うよりも、無駄なものを省く行為が好きなのかも。
自分にとって無駄なものは何か。
今の自分にとって要らないものは何か。

この無駄なもの、要らないものと言うのは、もちろん物だけではなくって、思考とか行動と言った事柄も省いていくと見えてくるものがあるし、アヤフヤだった思考も整理されてくるから面白い。
そして、それが整理されて初めて、これからの自分にとって必要なものが見えてくる。
だから整理をすることが好きなのでしょう。

人間は自らを壊して新しく入れ替わるからこそ、生きていられる

ところで有元さんの「使いきる。」は、そんな私の好みにまさにドンピシャの本!
「はじめに」のところに、
「お腹の中にもよけいなものはためないし、心の中にもよけいなものをためない。
入れたものがスムーズに流れて、循環しているのが、快適な体であり、快適な暮らしであると思います。」
と、書かれているのだけど、まさにこれこそが整理術の真髄だし、スムーズに流して循環させると言うのは、体にも思考にも暮らし方にとっても基本であり重要なことだと。

そう言えば、人間自身の体も例えば、
胃や腸などの細胞は2、3日で入れ替わると言うし、
脳は1ヶ月から1年、
筋肉は1ヶ月から半年、
肌は1ヶ月から1ヶ月半
で全て入れ替わる。
つまり私たちの体自体は古い細胞をどんどんこわし、新しいものと入れ替えている。
だからこそ生き続けられていると言うこと。
もしかしたら「整理整頓をしたい」と言うのは本能がそうさせているのかも。

この本には、そうした状態にするための衣・食・住・からだについて、その考え方や実践の仕方などが書かれています。

「整理整頓」の神髄は人生を「使いきる」ことにある

そして、最後のページに「自分を使いきる」と題して、
「―、それを最後まで「食べきる」「使いきる」ことで始めて、そのものが生かされるー。自分もそうです。自分自身も使いきりたい。―」
と書かれていますが、私もここ数年前からそのように感じていて今、自分ができること、自分が役に立てることをし尽くす人生にしたい、と。

そして人生を振り返った時に、「あー、よく自分を使いきった!」と思えたら、人生はそれでマルなのではないかなーと思っています。

追記
そうそう、私は夫に「家の中は、あんなによく整理するのに、車は違うんだね」とからかわれるほど、車の中の整理に対しては無頓着。
私にとって車は移動手段に過ぎなくて、車の中を整理しても私の思考に訴えかけてくることがないので興味が湧かないという感じ。
そして「これが車の中にあったら便利」と、ついついいろんな物を積みこんでしまう。
だから私は現実的な綺麗好き・整理好きと言うわけではないと言うことは前もって伝えておきます(苦笑)。
人にはそれぞれの整理の対象があるものですね。